2020年5月2日土曜日

静かな青空を見て思う

 雲一つない青空。初夏を感じさせる心地よい風。皮肉にも絶好の練習日よりである。
 監督の提案で、今日の午前中は、指導者全員で室内練習場の整備と消毒を行った。練習を再開する日が来たら気持ちよく始められそうだ。

 久しぶりに顔を見た指導者の間で、現役選手やOBが、個人個人で工夫してトレーニングを続けていることを知り、気持ちが和んだ。

 先の見えない自粛生活で、人間がどんどん臆病になってきている。わからないことは分からないままにしておけばいいのに、周囲の顔色を窺って過剰な自己規制を行っている。そして、その不安や不満を、些細なことで他者を攻撃し正義感を装うことで埋め合わせしようとしているかに見える。
 人間は、近くの人、あるいは直接は一生会えないような人含めてすべて繋がって生かされている。それを実感できない異常な空気の中で、他人を貶すことでしか人と関われないなんて寂しすぎる。
 自主トレを続けている子どもたちの様子を聞いて、彼らは彼らなりに目標を見失わず、まっすぐ頑張っているんだな、と嬉しかった。

 先日NHKで平田オリザさんへのインタビューを見た。平田さんは、人間にとって生命が一番大事なのは当然だが、その次に大切なものは人によって違う、それを認め合う寛容さが今求められていると語っていた。心の風通しが良くなるような言葉だと思った。
 野球少年は野球をやっていない多数の人それぞれの大切なものへの思いやりを忘れずにいてほしいし、野球をやっていない人は、なぜ野球少年がここまでこのスポーツにこだわり続けるのかを理解してほしい。

 今年の大会はどうなるか予断を許さない。でも、結果がどうなろうと、夢に向かって努力したことで後悔することは何一つない。苦しいのはみんな同じ、いや自分よりもっともっと苦しい人たちがいる。最後まで夢をあきらめず、頑張れ、野球少年。