また野球と直接関係なくて恐縮だが、元気が出たニュースをひとつ紹介したい。
イギリス、ウェールズの仮設病院で、医療職員が英語とウェールズ語で「明日に架ける橋」を歌った映像が世界中で、医療従事者や患者を励ましている。
この病院は、もともとコンサートホールだったが、コロナウィルス感染者の増大に伴い急遽病院に作り替えられ、「虹の病院」と呼ばれている。もともと音楽を演奏する場所ということもあり、まっすぐ正面を向いて歌う医療従事者の素晴らしいハーモニーをより一層際立たせている。この曲を50年前に作ったポール・サイモンも、彼らの勇敢な行為を称え、自身のツイッターで紹介した。
サイモンとガーファンクルの最後の共同アルバムのタイトル曲として1969年に発表された「明日に架ける橋」は、ゴスペルをベースにした厚みのあるメロディーと、人間本来の温かさを溢れさせた歌詞で、以後10年間にわたって世界中のヒットチャートを席巻しただけにとどまらず、アメリカで、あるいは南アフリカで、傷つきながらも励ましあって前を向く人たちを勇気づけ続けてきた。
私も小学校6年生の時この歌に出会って以来、何千回聴いたか分からない。ポールのコンサートも3回聴いたし、彼の音楽は私の血肉となっている。
まずは、虹の病院のスタッフたちの声を聴いていただきたいが、彼らのメッセージを伝える手助けになれば、との一心で、拙訳(一部かなり意訳した)を紹介する。
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Bridge Over Troubled Water
君がへこたれて惨めな気持ちで
涙があふれてきたときは
僕がぬぐってあげよう
君の味方だもの
ツキに見放され
頼る友達もいないときも
逆巻く波を乗り越える橋のように
僕は身を投げ出そう
誰も認めてくれず
街角に放り出され
夕焼けを見て胸が締め付けられるときは
僕が君の思いを聞いてあげる
君の夢に手を貸そう
夜の幕が降りて
何をしても辛くてたまらないときは
逆巻く波を乗り越える橋のように
僕は身を投げ出そう
輝きに包まれて
船出する時が来た
君はもうひとりじゃない
すべての夢が動き出している
ごらん、それがどんなに輝いているか
それでも君が心細いなら
僕がすぐ後ろをついていってあげる
逆巻く波を乗り越える橋のように
君の不安をとりのぞいてあげよう
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コロナで顔を合わせることができなくても、僕らは決してひとりじゃない。